わしは庄屋源吉。高師・芦原校区に碑まで建っておる、豊橋を代表する英雄。なんちゃって。
わし、18歳で村の衆に推されて庄屋になったんじゃ。村は貧乏で年貢を納めることができんくてのん。わしが村の衆を代表して、死を覚悟で願いを届けに、役場に行ってこう言ったんじゃ。
「死を恐れて、どうしてこの願いができましょうか。年貢が免ぜられないのなら、私を臨済寺山(吉田藩の死刑執行場)へお連れください」
願いが聞き届けられ、年貢138石を減免されたんじゃが、わしは死刑を宣告され牢獄にいれられてしまってのぉ。今度は村人が命がけでわしの刑を減らすよう懇願してくれて、5年後に釈放されたんじゃが、時すでに遅し、病で死んでしまった。享年、25歳という若さだったんじゃ。
という話を、臨場感たっぷりに”語り部”が話してくれたぞん。それを聴いておった人間の一人が、涙を流してくれておったのぉ。
わしの話の他に「一里山の大蜘蛛」「身代わり地蔵」の話を合わせた3本立てじゃった。満員御礼、小さい子は3歳から82歳の長老まで、たくさんの人間たちが集まってくれたわい。わしら豊橋妖怪もとっても嬉しくてのぉ。みんな、来てくれて、ありがとのん。
次回は11月11日(日)14:00-15:00、「子守り地蔵」「高根のきつね」「野依八幡と経本」も3話じゃ。お楽しみに。
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