飾り付け担当、真田幸村登場。

わし、真田幸村。吉田では「大根流し」でわしは有名じゃな。真田紐を編んで生計を立てとった幸助という農民が、喘息をなおしたい一心で、大根に”真田幸村様行”と書いて川に流したのが始まりじゃ。

幸助は信心深い働き者じゃったから、もちろん願いを聞き届けたぞ。喘息を”えいや”っと治してやってな。いまでも杉山町にある真田神社では、12月12日になると加持祈祷が行われとるぞ。病に苦しむ多くの人間たちが、わし宛の名前を書いた大根を流してな。師走はわし、毎年ちと忙しいぞん。

さて、「豊橋妖怪ハンコ展」の飾り付けのことじゃ!

ごひんのじいさんに頼まれてのん。わしが総指揮をふるうことになったぞ。みな、楽しみに。

 

早速、飾り付けに合いそうな小道具を見つけてきたで、紹介するぞん。写真の茶色い等の箱「行李」じゃ。若いもん、知っとるかのん?

 

「行李」は竹や柳・籐などで編んで「つづら」のようにつくったもので、旅行用に使った荷物入れ。衣類を収納するのにもよう使ったのう。半舁(はんがい)とも言うぞん。
 
この茶色の行李は、竹の上に紙を貼り柿渋を塗った渋張行李(しぶはりこおり)。内側をみたら、なんと漢字ばかりの行商の書き付けが残っとったぞい。わしも驚いたわ。
もちろん現物は「豊橋妖怪ハンコ展」で飾るので、会場で直接見て確かめてみておくれん。では!